( 香水工場の )
香る生活
モテ香水への憧れは人類共通~
こんな香水あったら間違いなく買う (updated: 2022/12/05)
( モテ香水の劇的効果!・・・カナダのコメディ番組 "Just For Laughs Gags" から )
カナダのコメディ番組。
ドッキリ番組だが、タチが悪いドッキリとは違って「人を傷つけない笑い」をポリシーとしている点が好感度高い。
セリフはほぼなく映像だけで楽しめる点も特徴で、世界の航空会社の機内ビデオ・コンテンツとして、大きな地位を築いています。
撮影はケベックやモントリオールの街中やショッピングモール内で行われていますが、このシリーズを見ていて驚くことは人種の多様性と素朴な人の多さ。
ケベックって、こんなに温和な人、多いの?と行ってみたくなります。
さて、今回のイタズラは「Perfume Prank」(香水イタズラ)
香水ビジネスをやっているボクらからすれば、モテ香水とか言われても、あえて否定はしませんが、バカバカしい限りなんですが、案外、欧米の人々もモテ香水は気になるようですね。
モール内で美人販売スタッフに「モテ香水あります、試して!」と誘導されると、男たちの怪訝な顔と同時に、まんざらでもない表情が、たまりません!
目と眉毛に感情がでますね~ そして、タネ明かしされて、安堵の笑いにこちらまでホッとさせられます。

(2022-12-05)
( モテ香水の劇的効果!・・・カナダのコメディ番組 "Just For Laughs Gags" から )
ジャスト・フォー・ラフス・ギャグズ
カナダのコメディ番組。
ドッキリ番組だが、タチが悪いドッキリとは違って「人を傷つけない笑い」をポリシーとしている点が好感度高い。
セリフはほぼなく映像だけで楽しめる点も特徴で、世界の航空会社の機内ビデオ・コンテンツとして、大きな地位を築いています。
撮影はケベックやモントリオールの街中やショッピングモール内で行われていますが、このシリーズを見ていて驚くことは人種の多様性と素朴な人の多さ。
ケベックって、こんなに温和な人、多いの?と行ってみたくなります。
さて、今回のイタズラは「Perfume Prank」(香水イタズラ)
モテ香水
香水ビジネスをやっているボクらからすれば、モテ香水とか言われても、あえて否定はしませんが、バカバカしい限りなんですが、案外、欧米の人々もモテ香水は気になるようですね。
モール内で美人販売スタッフに「モテ香水あります、試して!」と誘導されると、男たちの怪訝な顔と同時に、まんざらでもない表情が、たまりません!
目と眉毛に感情がでますね~ そして、タネ明かしされて、安堵の笑いにこちらまでホッとさせられます。

(2022-12-05)
( 香水工場の )
香る生活
新スリーピングミストの話
"心地よい香り、心地よい眠り" がテーマ(スリーピングミスト) ( 2022/11/30、2022/08/29 )
9月につづきリリースされるのは、こちら →
新スリーピングミストがついに9月1日リリースされました。
今後、数年かけて種類を増やしていく予定です。
天然香料を主体とした香りシリーズです。
なるべく天然のままのナチュラルな香りで精油をメインにブレンドしています。
"心地よい香りが、心地よい眠りを誘う" ことは経験的に知られています。
「眠りのための香り」として、そして「心地よい香り生活のため」の香りとしてご利用ください。
スリーピングミストのネーミングは「月」「星」などから命名しました。
月や星は、長い歴史の中で、神話や人々の生活に根付いてきただけあって多彩なネーミング、そして優雅な響き、多いですよね。
1ヶ月の折り返し地点の月。「十五夜」つまり満月の翌日の月で、ほぼ満月。
「いざよい」の意味は、ためらうという意味の「いざよう」から来ているとか。
月の出方が遅くなり(もっと早く出ておいで)と愛着を込めて古代の人々が呼んだのではないかと空想します。
この香りは実は旧スリーピングミストの『ラベンダサンタル』とほぼ同じ中身、そのままの香り。
今はなきラベンダサンタルをお求めの方におすすめ。
( 写真では商品が大きく見えますが、4mLサイズ、親指大の小さなボトル )
文字通り30日目の月、「晦日(みそか)」とも呼ばれます。
(余談ですが、年末の晦日が「大晦日(おおみそか)」)
「三十日月」は「新月」(月齢0日)の前日の月なのでほぼ暗闇。
見えるとしたら、かすかなほぼ細い輪郭線だけ・・再生を待つ静寂の月。
針葉樹林サイプレス(イトスギ)の精油をメインに当てました。
(樹木の精油は心鎮まる香りが多いのですが、サイプレスはパワーのある香りなので、眠たくなるよりは、元気が出ると感じるかも)
( 写真では商品が大きく見えますが、4mLサイズ、親指大の小さなボトル )
満月の前日の呼び名なんで、普通なら「ほぼほぼ満月」でいいのです。
が、そこを「小望月」と呼ぶことの、なんと風流なことでしょう。
満月の別名「望月(もちづき)」から来た呼び名、満月を楽しみに待ちわびる「小望(こもち)」の思いが伝わってきます。
( 写真では商品が大きく見えますが、4mLサイズ、親指大の小さなボトル )
国語辞書には「曇りなく澄みわたった満月」と記載されています。
「満月」というコトバがすでにあるのに、さらに「明月」と呼ぶ、月への愛が半端ない。
英語なら「フル・ムーン」や「ブライト・ムーン」かな?・・欧米の人々も優雅な呼び名を愛用しているようです。
( 写真では商品が大きく見えますが、4mLサイズ、親指大の小さなボトル )
「天満月」は「あまみ・つき」とも「あまみつ・つき」とも呼ばれます。
(意味的には「あまみつ・つき」だが、発音は「あまみ・つつき」となるのは私だけ?)
「あまみつ」は、「天空いっぱい」みなたいな響きですよね。
「天を満たす光り輝く月」。
残念ながら「てんまづき」とは呼ばないようです(呼んでもよさそうですけどね・・)。
こちらも「満月」の別名というポジションですが、祝福されたかのような豊かな響き・・好きだな~
( 写真では商品が大きく見えますが、4mLサイズ、親指大の小さなボトル )
でました、悪魔を彷彿させる「逢魔時」、キャラクター感がパワフルですね。
ラベル屋さんも当社期待以上の「魔物カラー」で仕上げてくれました。
この香りは、あの強烈な安眠精油を当てましたよ(ほら、もう買いたくなったでしょ?)
でもね、あの精油だから、(たいていの人には安眠にならないと言います)ので、おすすめはしません。
(ズバリ、購入されないことをおすすめします)
( 写真では商品が大きく見えますが、4mLサイズ、親指大の小さなボトル )
これは何の香りのネーミングと思いますか?
イメージからは空想できないですよね、でも言われて見れば、イメージにあうかも・・・
キンモクセイの香り!
そして、この品は2022年の『金木犀キャンペーン』のプレゼントとなります。
( 写真では商品が大きく見えますが、4mLサイズ、親指大の小さなボトル )
こんな使い方をおすすめしています:
今回の新スリーピングミストの容器は、4mLボトル『軸タイプ』を採用しています。
スプレーでないこと、ご注意ください。
( 写真では商品が大きく見えますが、4mLサイズ、親指大の小さなボトル )

お客様コメント:
2022/10/07 (Fri) 20:03:35
逢魔時!
・コメント:
バレリアン・スリーピングミストの大ファンです。
生き残っていて良かった~♪
(今回は別商品を注文しますが…^^;)
・・ayu~
2022/09/15 (Thu) 23:41:20
ラベルがお洒落?
・コメント:
とても素敵です…
・・
2022/09/14 (Wed) 19:39:40
新スリーピングミスト
・コメント:
早速4種、購入致しました!
小望月は、スッキリ爽やかで気分をリフレッシュ出来そうです。
黄昏月は、オレンジスカッシュ!な印象です。
明月と天満月は、どちらも柚子やオレンジを目の前で搾っているかのようなリアルさがあります。
いずれも前向きな気持ちで入眠できそうな香りです。寝る際には、量の調整をしやすいので軸ボトル良いです。
欲を言えば、もう少し量のあるボトルも有ると嬉しいです。
・・めぐみお
(2022-11-30)
2022年12月リリース分
9月につづきリリースされるのは、こちら →
・十六夜(いざよい)
・三十日月(みそかづき)
・三十日月(みそかづき)
2022年9月リリース
新スリーピングミストがついに9月1日リリースされました。
今後、数年かけて種類を増やしていく予定です。
・小望月(こもちづき)
・明月(めいげつ)
・天満月(あまみつつき)
・逢魔時(おうまがとき)
・黄昏月(たそがれづき)
・明月(めいげつ)
・天満月(あまみつつき)
・逢魔時(おうまがとき)
・黄昏月(たそがれづき)
スリーピングミストとは?
天然香料を主体とした香りシリーズです。
なるべく天然のままのナチュラルな香りで精油をメインにブレンドしています。
"心地よい香りが、心地よい眠りを誘う" ことは経験的に知られています。
「眠りのための香り」として、そして「心地よい香り生活のため」の香りとしてご利用ください。
ネーミングの由来
スリーピングミストのネーミングは「月」「星」などから命名しました。
月や星は、長い歴史の中で、神話や人々の生活に根付いてきただけあって多彩なネーミング、そして優雅な響き、多いですよね。
十六夜(いざよい)
1ヶ月の折り返し地点の月。「十五夜」つまり満月の翌日の月で、ほぼ満月。
「いざよい」の意味は、ためらうという意味の「いざよう」から来ているとか。
月の出方が遅くなり(もっと早く出ておいで)と愛着を込めて古代の人々が呼んだのではないかと空想します。
この香りは実は旧スリーピングミストの『ラベンダサンタル』とほぼ同じ中身、そのままの香り。
今はなきラベンダサンタルをお求めの方におすすめ。
( 写真では商品が大きく見えますが、4mLサイズ、親指大の小さなボトル )三十日月(みそかづき)
文字通り30日目の月、「晦日(みそか)」とも呼ばれます。
(余談ですが、年末の晦日が「大晦日(おおみそか)」)
「三十日月」は「新月」(月齢0日)の前日の月なのでほぼ暗闇。
見えるとしたら、かすかなほぼ細い輪郭線だけ・・再生を待つ静寂の月。
針葉樹林サイプレス(イトスギ)の精油をメインに当てました。
(樹木の精油は心鎮まる香りが多いのですが、サイプレスはパワーのある香りなので、眠たくなるよりは、元気が出ると感じるかも)
( 写真では商品が大きく見えますが、4mLサイズ、親指大の小さなボトル )小望月(こもちづき)
満月の前日の呼び名なんで、普通なら「ほぼほぼ満月」でいいのです。
が、そこを「小望月」と呼ぶことの、なんと風流なことでしょう。
満月の別名「望月(もちづき)」から来た呼び名、満月を楽しみに待ちわびる「小望(こもち)」の思いが伝わってきます。
( 写真では商品が大きく見えますが、4mLサイズ、親指大の小さなボトル )明月(めいげつ)
国語辞書には「曇りなく澄みわたった満月」と記載されています。
「満月」というコトバがすでにあるのに、さらに「明月」と呼ぶ、月への愛が半端ない。
英語なら「フル・ムーン」や「ブライト・ムーン」かな?・・欧米の人々も優雅な呼び名を愛用しているようです。
( 写真では商品が大きく見えますが、4mLサイズ、親指大の小さなボトル )天満月(あまみつつき)
「天満月」は「あまみ・つき」とも「あまみつ・つき」とも呼ばれます。
(意味的には「あまみつ・つき」だが、発音は「あまみ・つつき」となるのは私だけ?)
「あまみつ」は、「天空いっぱい」みなたいな響きですよね。
「天を満たす光り輝く月」。
残念ながら「てんまづき」とは呼ばないようです(呼んでもよさそうですけどね・・)。
こちらも「満月」の別名というポジションですが、祝福されたかのような豊かな響き・・好きだな~
( 写真では商品が大きく見えますが、4mLサイズ、親指大の小さなボトル )逢魔時(おうまがとき)
でました、悪魔を彷彿させる「逢魔時」、キャラクター感がパワフルですね。
ラベル屋さんも当社期待以上の「魔物カラー」で仕上げてくれました。
この香りは、あの強烈な安眠精油を当てましたよ(ほら、もう買いたくなったでしょ?)
でもね、あの精油だから、(たいていの人には安眠にならないと言います)ので、おすすめはしません。
(ズバリ、購入されないことをおすすめします)
( 写真では商品が大きく見えますが、4mLサイズ、親指大の小さなボトル )黄昏月(たそがれづき)
これは何の香りのネーミングと思いますか?
イメージからは空想できないですよね、でも言われて見れば、イメージにあうかも・・・
キンモクセイの香り!
そして、この品は2022年の『金木犀キャンペーン』のプレゼントとなります。
( 写真では商品が大きく見えますが、4mLサイズ、親指大の小さなボトル )使用方法
こんな使い方をおすすめしています:
・就寝時の香りとして(枕カバーやティッシュに1~2滴落とす)
・サシェ(香り袋)に付けてクローゼットへ
・湯船の香りとして(1~2滴落とす)
・マスクデューとして(マスクの香り付けとして)
・机上香(デスク周りなどのフレグランスとして)
・サシェ(香り袋)に付けてクローゼットへ
・湯船の香りとして(1~2滴落とす)
・マスクデューとして(マスクの香り付けとして)
・机上香(デスク周りなどのフレグランスとして)
『軸タイプ』であることもご注意
今回の新スリーピングミストの容器は、4mLボトル『軸タイプ』を採用しています。
スプレーでないこと、ご注意ください。
( 写真では商品が大きく見えますが、4mLサイズ、親指大の小さなボトル )
お客様コメント:
2022/10/07 (Fri) 20:03:35
逢魔時!
・コメント:
バレリアン・スリーピングミストの大ファンです。
生き残っていて良かった~♪
(今回は別商品を注文しますが…^^;)
・・ayu~
2022/09/15 (Thu) 23:41:20
ラベルがお洒落?
・コメント:
とても素敵です…
・・
2022/09/14 (Wed) 19:39:40
新スリーピングミスト
・コメント:
早速4種、購入致しました!
小望月は、スッキリ爽やかで気分をリフレッシュ出来そうです。
黄昏月は、オレンジスカッシュ!な印象です。
明月と天満月は、どちらも柚子やオレンジを目の前で搾っているかのようなリアルさがあります。
いずれも前向きな気持ちで入眠できそうな香りです。寝る際には、量の調整をしやすいので軸ボトル良いです。
欲を言えば、もう少し量のあるボトルも有ると嬉しいです。
・・めぐみお
(2022-11-30)
( 香水工場の )
香る生活
「もっと持続力がある香りが欲しい!」
・・ (2022/11/06)
( 香水 = パワフルな香り? )
当社製品のご愛用に感謝申し上げます。
ごもっともです。
実際「もっと持続力がある香りが欲しい」というご要望は多い。
にもかかわらず、なぜ当社はこのご要望を実現できないのか?を今日はお話します。
一言で言えば「やれば欧米ブランドさんとそっくりにな香りになる」からです。
実は濃度と持続性はそれほど相関関係はありません。
当社香水の濃度は「10%」。
濃度による一般的な分類なら「オードパルファム」に相当する。
この濃度を上げても持続性への影響は軽微。
ネットでは「濃度が高い = 持続性がある」と多く書かれていますが、実際試されてないのでは?・・と思う。
持続性を上げるには、濃度より持続力がある成分の選択とそれら組み合わせがポイント。
たとえばムスク。
ムスクは香りの魅力を高める役割があるが、実は香りの保留剤としても使われる。
天然のムスクはワシントン条約で取引が禁止されており、香水で使用されるムスクはすべて合成香料。
しかし、この合成ムスクで具合が悪くなる人も少なくない。
(香りの強い柔軟剤にはムスクがかなり入っている。「香害」として嫌う人はおそらくこのムスクに反応されているのではないかと私は推測している)
香りの持続性を高めるにはムスクの濃度も上げるが、どうも、それが当社は好きでない。
ムスクのような持続性を上げる原料を多めに使うと、あまり好きでない香りになる傾向があり、また、欧米風テイストの香水に近づいていく。
「長く華やかに香る」ことは、香水の目標でありよい香水の条件である。
しかし、欧米の香水に近づくと、絶対にかなわないし、当社の存在意義自体がなくなるという危険がある。
そして、それ以上に自分達が好きで納得する製品でなくなるという気持ちの部分も大きい。
これが、当社が淡い香水を作る背景となっている。
これからも「長く華やかに香る」製品は作れないかもしれない・・
最後に、なぜ「長く華やかに香る香水」が生まれたのか?の歴史をお話して今日の話題は終わります。
香水は中世ヨーロッパで生まれた。
当時はジャスミンやオレンジフラワーなど天然の原料のみで制作していた。
天然原料だけだと香りは弱くすぐに飛ぶ。
これが調香師たちの悩みでした。
強く・長く香る原料や調合技術を求め、調香師や錬金術師たちの苦労が続いた時代です。
1900年代になると化学の合成技術は驚異的な発展を遂げる。
とくにドイツ・スイスといった国で化学産業が勃興し、医薬品・香料などの合成・製造が盛んになり、そして、香水業界にとって念願だった「長く華やかに香る」が技術的に実現した。
その象徴的製品がかの有名な1921年リリースの『シャネルNo.5』。
No.5には、複数の合成香料アルデヒドがアルデヒド・カクテルという手法で配合されている。
(このへんは去年「シャネルNo.5のちょっと悲しい話」で書きました)
『シャネルNo.5』以降、現代の香水文化は華開き、香水は長く華やかに香ることが当たり前となった。
空港の免税店などの香水は、お店のもう何十メートルも前からパワフルに香っており、そのパワーに圧倒されます。
まるで一帯の空気をオレンジやピンク色に変えるくらいのパワーです。
そんな香水が世界の人々には愛されるのです。
パワフルな香水は、とくに経済成長が著しい元気な国で好まれる傾向があるという・・中東、インド、中国など。
一方で、欧米の人々にも一部では弱い・淡い香りへの回帰もはじまっており、新興のニッチブランドでは淡い自然な香りをウリにする製品もかなり生まれている。
今後、香水トレンドがどうなるかわからない。
ボクの中では「油絵」対「水彩画」、「関東風・濃味」対「関西風・薄味」のような図式に見える。
世界でも今後、薄味好みの人が増える予感がしている。

(2022-11-06)
( 香水 = パワフルな香り? )投書をいただきました
いつも菖蒲とサイレンスを愛用しています。ありがとうございます。
ただ最近、香りだちの穏やかさと持続性の短さが気になっています。好きな香りをもっと長く楽しみたいのです!
他のブランドで、代用できるような香水も色々と探してはみましたが(すみません、、、)納得がいく香りは見つかりませんでした。
私のわがままですが、もう少し濃度が高く香りが長持ちする製品が出ると非常に嬉しいです。
当社製品のご愛用に感謝申し上げます。
ごもっともです。
実際「もっと持続力がある香りが欲しい」というご要望は多い。
にもかかわらず、なぜ当社はこのご要望を実現できないのか?を今日はお話します。
一言で言えば「やれば欧米ブランドさんとそっくりにな香りになる」からです。
香りの持続性と濃度
実は濃度と持続性はそれほど相関関係はありません。
当社香水の濃度は「10%」。
濃度による一般的な分類なら「オードパルファム」に相当する。
この濃度を上げても持続性への影響は軽微。
ネットでは「濃度が高い = 持続性がある」と多く書かれていますが、実際試されてないのでは?・・と思う。
持続性を上げるには、濃度より持続力がある成分の選択とそれら組み合わせがポイント。
持続性を上げる成分
たとえばムスク。
ムスクは香りの魅力を高める役割があるが、実は香りの保留剤としても使われる。
天然のムスクはワシントン条約で取引が禁止されており、香水で使用されるムスクはすべて合成香料。
しかし、この合成ムスクで具合が悪くなる人も少なくない。
(香りの強い柔軟剤にはムスクがかなり入っている。「香害」として嫌う人はおそらくこのムスクに反応されているのではないかと私は推測している)
香りの持続性を高めるにはムスクの濃度も上げるが、どうも、それが当社は好きでない。
欧米風テイストの香水
ムスクのような持続性を上げる原料を多めに使うと、あまり好きでない香りになる傾向があり、また、欧米風テイストの香水に近づいていく。
「長く華やかに香る」ことは、香水の目標でありよい香水の条件である。
しかし、欧米の香水に近づくと、絶対にかなわないし、当社の存在意義自体がなくなるという危険がある。
そして、それ以上に自分達が好きで納得する製品でなくなるという気持ちの部分も大きい。
これが、当社が淡い香水を作る背景となっている。
これからも「長く華やかに香る」製品は作れないかもしれない・・
最後に、なぜ「長く華やかに香る香水」が生まれたのか?の歴史をお話して今日の話題は終わります。
よい香水の条件:長く華やかに香る
香水は中世ヨーロッパで生まれた。
当時はジャスミンやオレンジフラワーなど天然の原料のみで制作していた。
天然原料だけだと香りは弱くすぐに飛ぶ。
これが調香師たちの悩みでした。
強く・長く香る原料や調合技術を求め、調香師や錬金術師たちの苦労が続いた時代です。
香水革命『シャネルNo.5』
1900年代になると化学の合成技術は驚異的な発展を遂げる。
とくにドイツ・スイスといった国で化学産業が勃興し、医薬品・香料などの合成・製造が盛んになり、そして、香水業界にとって念願だった「長く華やかに香る」が技術的に実現した。
その象徴的製品がかの有名な1921年リリースの『シャネルNo.5』。
No.5には、複数の合成香料アルデヒドがアルデヒド・カクテルという手法で配合されている。
(このへんは去年「シャネルNo.5のちょっと悲しい話」で書きました)
長く華やかに香ることが普通になり・・
『シャネルNo.5』以降、現代の香水文化は華開き、香水は長く華やかに香ることが当たり前となった。
空港の免税店などの香水は、お店のもう何十メートルも前からパワフルに香っており、そのパワーに圧倒されます。
まるで一帯の空気をオレンジやピンク色に変えるくらいのパワーです。
そんな香水が世界の人々には愛されるのです。
パワフルな香水は、とくに経済成長が著しい元気な国で好まれる傾向があるという・・中東、インド、中国など。
一方で、欧米の人々にも一部では弱い・淡い香りへの回帰もはじまっており、新興のニッチブランドでは淡い自然な香りをウリにする製品もかなり生まれている。
今後、香水トレンドがどうなるかわからない。
ボクの中では「油絵」対「水彩画」、「関東風・濃味」対「関西風・薄味」のような図式に見える。
世界でも今後、薄味好みの人が増える予感がしている。

(2022-11-06)
( 香水工場の )
香る生活
ボンセント ヘアオイル・・髪の健康におすすめ
潤いしっかり、ライトな手触り、微香 (2022/10/30)
( 『ザ・オール植物オイル』といった印象のボンセントヘアオイル。2022年末キャンペーンのプレゼントに決定 )ボンセント ヘアオイルが再登板
今回は年末キャンペーンのプレゼントとして2年前に登場してボンセントが再登板となりました。
実は今年の5月キャンペーン・プレゼントもボンセントだった。
ただし、こちらは香水ボトルに入れたスペシャル版だった。
( 香水瓶に入れたボンセント ヘアオイル、2022年5月の5月キャンペーン用 )香水ボトルだけに見た目がおしゃれだったが、お客様の反応は「中身良ければ容器はそれほど気にしない・・」という感触だった。
今回は基本に戻り、ボンセントの提供元ペアブロッサムさんオリジナルをそのままOEM提供を受ける。
年末キャンペーンの内容
【NEWS 2022年、年末キャンペーン】
・プレゼント:ボンセント ヘアオイル
・対象ご注文日:2022年12月1日~12月20日 (ただし、プレゼント在庫切れの場合、途中終了)
・対象条件:お買い物合計金額が「7,000円」以上のお買物にヘアオイル1本
※「ローズの贈り物」は数量限定商品です。25mLフルボトル・4mLキューブボトルそれぞれ、お一人様「2本まで」にご協力ください
・対象ご注文日:2022年12月1日~12月20日 (ただし、プレゼント在庫切れの場合、途中終了)
・対象条件:お買い物合計金額が「7,000円」以上のお買物にヘアオイル1本
※「ローズの贈り物」は数量限定商品です。25mLフルボトル・4mLキューブボトルそれぞれ、お一人様「2本まで」にご協力ください
・販売:ボンセント ヘアオイルは、数量限定で別途販売します
・価格:1,320円(税込み)
・容量:30mL
※こちらも「ローズの贈り物」同様、購入制限があります。お一人様「2本まで」にご協力ください
・価格:1,320円(税込み)
・容量:30mL
※こちらも「ローズの贈り物」同様、購入制限があります。お一人様「2本まで」にご協力ください

特徴1:中鎖脂肪酸(MCT)の植物オイル
( MCTの正体はココナッツ・オイル )メイン成分はココナッツから採れるトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル。
これにオリーブオイル、ホホバ、アルガンオイルなどをブレンド。
カプリル酸やカプリン酸は「MCT = 中鎖脂肪酸」として人気が高い。
日清オイリオさんが、数年前から MCTオイルをプロモートしているので注目度が上がってきた。
(大企業さんのマーケティングはすごいね~)
中鎖とは、分子構造の話で分子サイズが小ぶりということ。食べると消化しやすくエネルギーになりやすく、それゆえダイエットに効く。
(とはいえ、ボンセントは飲み物ではない、飲まないでほしい・・)
コスメ業界では、MCT は "クセが少なく使いやすいコスメ原料" として以前からよく使われている。
(長鎖脂肪酸より中鎖がいいのなら、短鎖はもっといいのでは?・・さすがに読者のみなさんは賢い、たとえば、お酢は短鎖脂肪酸の一つ、なるほど、よさそう)
特徴2:精油の香り(かなりの微香でござる)
( 天然だけの香り・・微香にして長く残らない )ボンセント(Bon Scent)は「よい香り」という意味。「Bon」は英語の「Good」に相当するフランス語。
香り付けはローズマリー、ラベンダー、オレンジ、ユズの精油で行った。
天然精油なので香水のようにメリハリがある香り立ちではないが、付けたときふと幸せが舞い降りる。
市販のヘアオイルでは強い香り付けのものが多い、そして、匂いがなかなか消えないものもある。
それがメリットでウリの場合もあるが、強い香り・長く残るニオイを嫌う人もいる、そんな人にはボンセントはほっとするだろう。
特徴3:ノン・シリコン
( 髪本来のツヤ・コシを助ける植物オイル )特徴の3番目はシリコン無配合。シリコン(シリコーン)は髪の毛をサラサラにする効果の点では最強だ。
シャンプー、リンス、トリートメント・・これらはシリコンありきの製品がほぼすべて。
数年前ノン・シリコンのヘアケアが流行したが、髪の毛をサラサラにする成分ってシリコンに勝るものはない。
大ブランドは、このブームでどう動くか?と見守っていたが、まったく動じなかった。
沈黙を守り、粛々とそれまでのシリコン入り製品を曲げることなく販売し続けた。
それだけ様々な点でシリコンは支持されているのだ。
ボンセントは植物オイルのライトなサラサラ感がウリだが、シリコン入りヘアオイルと比較すると、その点は負けることはあらかじめ明言しておこう。
しかし、シリコンを配合すると髪の毛や地肌にシリコン皮膜ができる。
それが髪を保護する一方で、有効成分が髪の毛や地肌に吸収されにくくなるデメリットもある。
シリコン無配合なら皮膜ができず、植物オイルを吸収した髪の毛はツヤ・コシを増す。
植物オイルが頭皮を守る作用も増す、つまり、実質的に、より健康的・長期的な髪ケアに役立つ。
ハンドクリームにもシリコン配合の製品がたまにあるが、不自然なつっぱり感を感じる人も多い。
ヘアオイルでも同じで、皮膜コーティングの保護力を好むか、それともナチュラルなオイル吸収力を好むかは個人によって好みが分かれる。
使い方
・タオルドライした髪の毛に適量をなじませてからドイヤーで乾かす
・シャンプーの前に頭皮に塗布してマッサージ後、いつも通りにシャンプー
・乾いた髪の毛のスタイリング剤として
・スキンケアとして全身に
成分
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ブドウ種子油、ホホバ種子油、スクワラン、オリーブ果実油、アルガニアスピノサ核油、ラベンダー油、オレンジ果皮油、ローズマリー葉油、ユズ果実油、トコフェロール
コメント

男性です。
洗面台に置いてあった妻のボンセントを無断で何度か使ってみたら
髪の調子が良くて、なくなれば妻に買ってもらうようになりました。
娘も使っています。
私の髪はカラーリングのダメージで
パサパサカサカサなのに、
これをつけると、嘘の様にしっとりと
ツヤツヤになります。
色々と市販のヘアオイルを試しましたが、これに勝る物に出会えていません。
購入しようと思っても、もう販売も終わってしまっていました。
この自然な香りのヘアオイルって他にないですね
香りなしのものか、好みの分かれる匂い付きかです
体調や季節に左右されず使用できるほのかな良い香り、ちょうどよい、いつでも使いやすい、そんなヘアオイルです
(ボンセント)がとても良くて、いつ頃商品化されるのかが気になっています…!
少し重めのオイルで髪につけるとまとまりが良くなります。
髪が多めでぱさついてしまう髪質にピッタリでした。
ボンセントの香りもブログを拝読して香調にも期待しておりましたが、やはり大好きな香りでした。
フラワー系のアロマオイル(ラベンダー、カモミール、ゼラニウムなど)を普段からリラックスタイムに使用しているのと、ノンシリコンの柑橘系アロマのシャンプーを愛用している私にとってストライクな香りと質感でした。
香りが残らないので好き!
美容院で勧められて使っているヘアオイルの匂いがきつくて使えず・・・
私の髪型はスフィンクスのようで、いろいろヘアオイルを試しましたが、うまくまとまりません。
ボンセントはよくまとまり、それでいてベタベタでないので愛用しています
少な目に付けると、ほんとうにサラサラ。
それと、足がつるとき、このオイルでマッサージすると楽になります。
変則的な使い方ですが・・

その他のお客様コメント:
2022/11/01 (Tue) 02:21:58
安全ですねww
・コメント:
2年前ほど,ボトルが知らないうち落下して、うちのわんちゃんが半分誤飲してしまいましたが、無事ですた!
・・
(国分) え? ワンちゃん、飲んだんですか?・・(絶句)
「無事ですた!」とはいえ、アナタ、とにかく無事でよかった・・
(2022-10-29)
( 香水工場の )
香る生活
正倉院の秘宝「全浅香」(ぜんせんこう)
読売新聞からご紹介・・ (2022/10/28)
( 全浅香・・宮内庁ホームページ / 読売新聞オンライン 2022/10/26 )
「正倉院展」という展示会はご存じですか?
知っている方には語るまでもないが、私がはじめて「正倉院展」というイベントを知ったのは10年以上も前。
ある年の秋、奈良東大寺に行った際、たまたま正倉院展が開催されていた。
遠くにもの凄い長蛇の列ができており(何事だ、あの行列は!)と眺めた。
その夜、京都のホテルでニュースか何かで昼間の長蛇が「正倉院展」だったと知った。
コロナパンデミックの前は一度の開催で20~30万人の入場者数があった。
歴史的展示物で、しかも刀剣や甲冑のようなビジュアル的にわかりやすいものでなく、鏡や玉など専門的でかなりディープな展示物にしては驚異の集客力である。
今年も正倉院展(第74回)が始まる。
目玉のひとつが天下の名香木「全浅香」(ぜんせんこう)というニュースがでていた。
「正倉院展に登場する名香木・全浅香」(読売新聞オンライン 2022/10/26)
私は全浅香という言葉ははじめて聞いた。
正倉院の香木といえば「蘭奢待」(らんじゃたい)が有名である。
記事にはこうある:
「正倉院の香木というと、蘭奢待の方が知られているが、正倉院との由緒は、全浅香の方が深い」
蘭奢待は香水を勉強する人なら必ず学ぶ日本の代表的な香木である。
その香りを求めて足利義政、織田信長、明治天皇など時の権力者たちが一部を切り取ったという伝説も学ぶ。
「蘭奢待を持つ者=天下人」「蘭奢待=権力の象徴」として学んだものである。
それが「正倉院との由緒は、全浅香の方が深い」と断言され、「『聖武天皇も聞いた天平の香り』と言い切れるのは、全浅香の方なのだ」と天皇家とのゆかりの深さも全浅香が上のような・・
(なんだったんだ、そんなに凄いのならもっと前から話題にしてほしい・・)
と思わないこともない気持ちになった。
蘭奢待も全浅香も、樹木の種類としては同じもので香りも同じではないか、と書かれている。
(実際に焚くことができないので確認のしようがないが)
樹木の種類は「沈香」で、その中でも最高級品の「伽羅」(きゃら)に属するようだ。
お香屋さんやお香関係者なら見たい人は多そうだ。
記事を読んでおもしろかったのは、香木が純粋に香りだけの話ではなく権力の道具として使われたという側面。
とくに蘭奢待を切り取った信長は、全浅香の存在も価値も認めながらも切り取らずにいた、いや、実は切り取っているかもしれない推測が歴史サスペンスみたいで楽しい。
イベントを紹介するニュース記事だが、参考文献も読んだ上での掘り下げられた記事だった。

お客様コメント:
2022/11/04 (Fri) 17:24:48
どんな香りなのか!?
・コメント:
全浅香、匂いをかいでみたいです。
30年くらい前大丸の香り展でガラスケースに入った蘭奢待の香りを嗅いだことがありました(ケースの隅がわずかに開けてあってそこから嗅ぐようになっていました)。極楽浄土に連れて行ってもらったようで、夢見心地でした。
全浅香も嗅いだだけで悟りが開けるような香りなんでしょうね、
・・ちゃぼ
(2022-10-28)
( 全浅香・・宮内庁ホームページ / 読売新聞オンライン 2022/10/26 )正倉院展がはじまる
「正倉院展」という展示会はご存じですか?
知っている方には語るまでもないが、私がはじめて「正倉院展」というイベントを知ったのは10年以上も前。
ある年の秋、奈良東大寺に行った際、たまたま正倉院展が開催されていた。
遠くにもの凄い長蛇の列ができており(何事だ、あの行列は!)と眺めた。
その夜、京都のホテルでニュースか何かで昼間の長蛇が「正倉院展」だったと知った。
コロナパンデミックの前は一度の開催で20~30万人の入場者数があった。
歴史的展示物で、しかも刀剣や甲冑のようなビジュアル的にわかりやすいものでなく、鏡や玉など専門的でかなりディープな展示物にしては驚異の集客力である。
今年も正倉院展(第74回)が始まる。
目玉のひとつが天下の名香木「全浅香」(ぜんせんこう)というニュースがでていた。
こんな宝があったとは!
「正倉院展に登場する名香木・全浅香」(読売新聞オンライン 2022/10/26)
私は全浅香という言葉ははじめて聞いた。
正倉院の香木といえば「蘭奢待」(らんじゃたい)が有名である。
記事にはこうある:
「正倉院の香木というと、蘭奢待の方が知られているが、正倉院との由緒は、全浅香の方が深い」
蘭奢待は香水を勉強する人なら必ず学ぶ日本の代表的な香木である。
その香りを求めて足利義政、織田信長、明治天皇など時の権力者たちが一部を切り取ったという伝説も学ぶ。
「蘭奢待を持つ者=天下人」「蘭奢待=権力の象徴」として学んだものである。
それが「正倉院との由緒は、全浅香の方が深い」と断言され、「『聖武天皇も聞いた天平の香り』と言い切れるのは、全浅香の方なのだ」と天皇家とのゆかりの深さも全浅香が上のような・・
(なんだったんだ、そんなに凄いのならもっと前から話題にしてほしい・・)
と思わないこともない気持ちになった。
全浅香の香りは?
蘭奢待も全浅香も、樹木の種類としては同じもので香りも同じではないか、と書かれている。
(実際に焚くことができないので確認のしようがないが)
樹木の種類は「沈香」で、その中でも最高級品の「伽羅」(きゃら)に属するようだ。
お香屋さんやお香関係者なら見たい人は多そうだ。
歴史サスペンスの香り
記事を読んでおもしろかったのは、香木が純粋に香りだけの話ではなく権力の道具として使われたという側面。
とくに蘭奢待を切り取った信長は、全浅香の存在も価値も認めながらも切り取らずにいた、いや、実は切り取っているかもしれない推測が歴史サスペンスみたいで楽しい。
イベントを紹介するニュース記事だが、参考文献も読んだ上での掘り下げられた記事だった。

お客様コメント:
2022/11/04 (Fri) 17:24:48
どんな香りなのか!?
・コメント:
全浅香、匂いをかいでみたいです。
30年くらい前大丸の香り展でガラスケースに入った蘭奢待の香りを嗅いだことがありました(ケースの隅がわずかに開けてあってそこから嗅ぐようになっていました)。極楽浄土に連れて行ってもらったようで、夢見心地でした。
全浅香も嗅いだだけで悟りが開けるような香りなんでしょうね、
・・ちゃぼ
(2022-10-28)
( 香水工場の )
香る生活
香水瓶のリサイクル
・・ (2022/10/26)
( 技術的にはリサイクルしやすいガラス )
先日こんなご意見いただきました。
まったくですね。
一回の使用できれいなボトルが廃棄される事態は、当社としても心苦しいの一言です。
よい機会なので、当社がどのように考え、どんなことをしているか今日はお話します。
リユースは「再利用」の意味。
(この記事では「リサイクル」はつぶして原料として再生すること、「リユース」はそのまま再利用する意味「リターナブル」の意味で使用している)
ビール瓶はリユースの成功事例としてよく知られているが、香水瓶のリユースは行われているか?・・残念ながら、それを行っているブランドさんはかなりの少数派。
(たぶん、実施されているブランドさんもどこかにあると思うが、私が知る範囲では皆無)
もしリユースをやるとしたら、回収はお客様による個別返却システムを採用することになる。
送料など回収コストおよびお客様の返却の手間が、第一のハードルとなる。
さらに回収のためのエネルギー消費、二酸化炭素排出、洗浄に伴う環境負荷があり「そのエコ、本当にエコ?」という指摘を受けそうだ。
そして、香水にはリユースに向かない決定的事情も大きい・・ボトル内に匂いが残る点である。
当社も香水瓶のリユースは現状では可能性は低いと判断している。
瓶をそのまま再利用するのではなく、瓶を粉砕しガラス原料として再利用する方法。
プラスティックはリサイクルすることで品質劣化が伴うが、その点、ガラス瓶はリサイクルしやすい。
ガラスは溶かせば、もとの石英にもどり、ある程度同じ品質のガラス原料として使える。
しかもガラスの原料である珪砂(けいしゃ)から作るより、廃ガラスを溶かす方がむしろ熱効率がよいとも言われる。
(ただし、無限に何度もリサイクルできるわけではないらしい)
このように香水瓶のリサイクルは技術的には可能。
当社が自社の香水瓶を回収し工場に回す場合、流通規模が小規模すぎて瓶工場が受け入れてくれない。
また個別回収はエネルギー効率からすれば環境コストが高く、本当にそれがエコになるのかは疑問が多い。
しかし、多くのガラス瓶メーカーさんは、自治体が大量に回収する様々な種類のガラス瓶を受け入れガラス原料として再利用している。
食品瓶はかなりリサイクルされるが、食品以外では薬品とくに劇薬瓶などリサイクルされないものもあるものの社会全体としてガラス瓶はリサイクル循環がある程度形成されている。
よって、香水瓶はお使いいただいた後、適切に分別して自治体のゴミ回収サービスで廃棄いただくことが、現状、現実的なリサイクル方法と考えられる。
(一般的ガラス瓶の出し方:キャップ・フタは取る、中身は捨てて可能ならさっと水洗い・・などです)
香水瓶のリサイクルとは別に、香水瓶の使用そのものを削減するアイデア。
当社では詰替え方式の香水販売を模索し2016年に実験的にテスト販売を行った。
プランでは、スプレー部分(金属)とボトル(ガラス)、中身(香水)を完全にバラバラにして個別販売したら、ボトルだけでなくスプレーの使用量も削減できる。
スプレーの代わりにリフィルボトル専用のアルミキャップを製造した。
( 2016年、スプレーを繰り返し使えるようにしたリフィル用の香水瓶 )
瓶メーカーさんと折半での金型を制作し、香水専用アルミキャップを製造しリフィルボトルを販売した。
ロードマップでは2段階のプランを描いていた。
第1段階でリフィルボトルで詰替方式の問題点や需要を探り、第2段階目でアルミパウチによる香水販売もありうるかも?と考えていたが・・
半年くらい販売してみたが、お客様からのレスポンスは特になかった。
否定する人はいなかったが、喜ばれている印象もなかった。
リフィル = 詰替え式は、環境的には意味がある行為ではあるが、いかんせん当社のビジネス規模が小さすぎて、やってもやらなくても社会的にはまったく意味がない誤差程度のエコ活動だった。
(これをムダな自己満足ととらえるか、中小企業の心意気ととらえるか、お客様の印象はいろいろ)
むしろ、意味がない "グリーンカンパニー気取り" と嫌悪されたかもしれない。
次の2点ではないかと考察しています・・
( 香水の詰替はこぼしやすい・・フェルメール『牛乳を注ぐ女』のパロディ、『香水を注ぐ女』 )
(1) 中身の詰替作業は、頭で考えるより手間である、とくに液体はこぼしやすい
(2) 香水は比較的長く使用されるので中身の詰替需要が薄い
当社のお客様の場合、早い人なら1本のフルボトルを1ヶ月程度で消費するが、1年や2年かけて使う方もおられる。
数種類の香水をもっていると、その日の気分や季節などで使い分けたり、使わなかったり・・という使い方になるもの。
香水は長い時間の中でゆっくり味わいながら消費されていく傾向がある。
そういうゆるやかな使い方ではリフィルや詰替に対して、そもそも需要がないのではないか?
毎日繰り返し使う洗剤や毎日の食卓に欠かせないお醤油なら、しっかりした容器を毎回捨てることにムダ意識も生まれるが、香水をリフィルにしてほしいという需要は少ないように感じた。
2016年のトライアルは失敗したが、潮目が変化すれば、何かやれることはやりたい。

(2022-10-26)
( 技術的にはリサイクルしやすいガラス )お客様から投書
先日こんなご意見いただきました。
ずっと愛用しているなかで疑問に思ったので質問させていただきたいのですが、使用済みボトルの回収とかボトルの再利用は今後展開する予定はございますでしょうか。
毎回利用したボトルを綺麗なままゴミに出してしまうのはもったいないと思っていていつつも、自分で再利用するには用途がなく・・
まったくですね。
一回の使用できれいなボトルが廃棄される事態は、当社としても心苦しいの一言です。
よい機会なので、当社がどのように考え、どんなことをしているか今日はお話します。
リユースに向かない香水瓶
リユースは「再利用」の意味。
(この記事では「リサイクル」はつぶして原料として再生すること、「リユース」はそのまま再利用する意味「リターナブル」の意味で使用している)
ビール瓶はリユースの成功事例としてよく知られているが、香水瓶のリユースは行われているか?・・残念ながら、それを行っているブランドさんはかなりの少数派。
(たぶん、実施されているブランドさんもどこかにあると思うが、私が知る範囲では皆無)
もしリユースをやるとしたら、回収はお客様による個別返却システムを採用することになる。
送料など回収コストおよびお客様の返却の手間が、第一のハードルとなる。
さらに回収のためのエネルギー消費、二酸化炭素排出、洗浄に伴う環境負荷があり「そのエコ、本当にエコ?」という指摘を受けそうだ。
そして、香水にはリユースに向かない決定的事情も大きい・・ボトル内に匂いが残る点である。
当社も香水瓶のリユースは現状では可能性は低いと判断している。
香水瓶のリサイクル
瓶をそのまま再利用するのではなく、瓶を粉砕しガラス原料として再利用する方法。
プラスティックはリサイクルすることで品質劣化が伴うが、その点、ガラス瓶はリサイクルしやすい。
ガラスは溶かせば、もとの石英にもどり、ある程度同じ品質のガラス原料として使える。
しかもガラスの原料である珪砂(けいしゃ)から作るより、廃ガラスを溶かす方がむしろ熱効率がよいとも言われる。
(ただし、無限に何度もリサイクルできるわけではないらしい)
このように香水瓶のリサイクルは技術的には可能。
当社が自社の香水瓶を回収し工場に回す場合、流通規模が小規模すぎて瓶工場が受け入れてくれない。
また個別回収はエネルギー効率からすれば環境コストが高く、本当にそれがエコになるのかは疑問が多い。
しかし、多くのガラス瓶メーカーさんは、自治体が大量に回収する様々な種類のガラス瓶を受け入れガラス原料として再利用している。
食品瓶はかなりリサイクルされるが、食品以外では薬品とくに劇薬瓶などリサイクルされないものもあるものの社会全体としてガラス瓶はリサイクル循環がある程度形成されている。
よって、香水瓶はお使いいただいた後、適切に分別して自治体のゴミ回収サービスで廃棄いただくことが、現状、現実的なリサイクル方法と考えられる。
(一般的ガラス瓶の出し方:キャップ・フタは取る、中身は捨てて可能ならさっと水洗い・・などです)
詰替え方式のトライアル
香水瓶のリサイクルとは別に、香水瓶の使用そのものを削減するアイデア。
当社では詰替え方式の香水販売を模索し2016年に実験的にテスト販売を行った。
プランでは、スプレー部分(金属)とボトル(ガラス)、中身(香水)を完全にバラバラにして個別販売したら、ボトルだけでなくスプレーの使用量も削減できる。
スプレーの代わりにリフィルボトル専用のアルミキャップを製造した。
( 2016年、スプレーを繰り返し使えるようにしたリフィル用の香水瓶 )瓶メーカーさんと折半での金型を制作し、香水専用アルミキャップを製造しリフィルボトルを販売した。
ロードマップでは2段階のプランを描いていた。
第1段階でリフィルボトルで詰替方式の問題点や需要を探り、第2段階目でアルミパウチによる香水販売もありうるかも?と考えていたが・・
人気がなかった詰替え式
半年くらい販売してみたが、お客様からのレスポンスは特になかった。
否定する人はいなかったが、喜ばれている印象もなかった。
リフィル = 詰替え式は、環境的には意味がある行為ではあるが、いかんせん当社のビジネス規模が小さすぎて、やってもやらなくても社会的にはまったく意味がない誤差程度のエコ活動だった。
(これをムダな自己満足ととらえるか、中小企業の心意気ととらえるか、お客様の印象はいろいろ)
むしろ、意味がない "グリーンカンパニー気取り" と嫌悪されたかもしれない。
不人気だった理由
次の2点ではないかと考察しています・・
( 香水の詰替はこぼしやすい・・フェルメール『牛乳を注ぐ女』のパロディ、『香水を注ぐ女』 )(1) 中身の詰替作業は、頭で考えるより手間である、とくに液体はこぼしやすい
(2) 香水は比較的長く使用されるので中身の詰替需要が薄い
当社のお客様の場合、早い人なら1本のフルボトルを1ヶ月程度で消費するが、1年や2年かけて使う方もおられる。
数種類の香水をもっていると、その日の気分や季節などで使い分けたり、使わなかったり・・という使い方になるもの。
香水は長い時間の中でゆっくり味わいながら消費されていく傾向がある。
そういうゆるやかな使い方ではリフィルや詰替に対して、そもそも需要がないのではないか?
毎日繰り返し使う洗剤や毎日の食卓に欠かせないお醤油なら、しっかりした容器を毎回捨てることにムダ意識も生まれるが、香水をリフィルにしてほしいという需要は少ないように感じた。
2016年のトライアルは失敗したが、潮目が変化すれば、何かやれることはやりたい。

(2022-10-26)
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